成年後見制度と遺言の違いとは?できることの範囲を解説
終活を考えるうえで名前を聞くことが多い「成年後見制度」と「遺言」。どちらも将来に備える制度ですが、役割はまったく異なります。この記事では、それぞれの違いとできることの範囲を整理しました。
成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症や障がいなどで判断能力が十分でなくなった方の財産管理や契約行為を、後見人などが支援する制度です。預貯金の管理や介護施設との契約、不要な契約を取り消すことなどが主な役割です。
遺言とは
遺言とは、自分が亡くなった後に、誰にどの財産を引き継いでもらうかをあらかじめ決めておく書面です。遺言書があることで、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)の負担を減らせる場合があります。遺言書の書き方は遺言書の書き方|種類と注意点を解説で詳しく紹介しています。
成年後見制度と遺言の違い
| 比較項目 | 成年後見制度 | 遺言 |
|---|---|---|
| 効力が及ぶ期間 | 本人が生きている間 | 本人が亡くなった後 |
| 主な目的 | 生活・財産管理の支援 | 財産の引き継ぎ方の指定 |
| 始め方 | 家庭裁判所への申立てなど | 本人が単独で作成できる |
成年後見制度の種類
- 法定後見(後見・保佐・補助):判断能力の低下後に家庭裁判所が選任
- 任意後見:判断能力があるうちに、将来に備えて自分で契約しておく
判断能力があるうちに柔軟に財産を管理してもらう方法としては、家族信託という選択肢もあります。
どちらを準備すればいい?の考え方
よくある質問
成年後見制度と遺言はどちらも準備すべきですか?
目的が異なるため、両方を検討する方も多くいます。成年後見制度は生きている間の財産管理・生活支援のため、遺言は亡くなった後の財産の引き継ぎ方を決めるためのものです。将来に備えたい内容によって、必要な制度は変わります。
成年後見制度には種類がありますか?
本人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の3種類があります。すでに判断能力が低下している場合は家庭裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」、判断能力があるうちに将来に備えて契約しておく「任意後見」もあります。
遺言があれば成年後見制度は不要ですか?
いいえ、それぞれ役割が違うため、遺言だけでは生きている間の財産管理をカバーできません。判断能力が低下した後の生活費の管理や契約行為が必要な場合は、成年後見制度(または家族信託など)の検討が必要です。
遺言はいつ書けばいいですか?
判断能力があるうちであれば、いつでも作成できます。体調の変化や家族構成の変化があったタイミングで見直す方も多く、早めに作成し、必要に応じて書き直すという考え方がおすすめです。
